赤ちゃんはどこからくるの?
セミは羽化が進むとこうして羽をピンと伸ばし乾かします。
七色の光は新緑の緑になって乾いて朝になって茶色になり旅立って行きます。
もちろん残念だけど失敗することもあります。美しいだけではない誕生の瞬間。
ムスコが四年生の時、赤ちゃんはどこからくるの?と聞いたことがあります。
というか、今は普通の会話の一コマでもあります。
それをどう伝えるか、なんて時間をかけて考えたこともないけれど、やまに暮らす経験を数年し、言葉になったように思います。
いつか聞かれた時は本当のことを話そうとだけ思っていました。
だからこう答えました。
「交尾だよ、命が生まれ出るには虫や動物、植物と同じ、人も交尾をするの。」
こうして私たちは山で沢山の生まれ出る瞬間を感じさせてもらって、同時に生まれることがうまくできず死んでいく瞬間にも出会った。
虫が死んでいくということは循環の中にあることも知り、彼らは死ぬと他の生き物の食料になり、大地のエネルギーになっていくこと。
山で悲しさや悔しさと共に季節の移り変わりを味わったことで経験させてもらっています。
生まれてくることが奇跡、こうして生きて在る今の日々も奇跡なのだと私は思っています。
なので私は彼が興味を持つ命の誕生についてきちんと答えていくことでそんな想いも伝わってくれたらうれしい。
彼らが自分の生も他の人、生き物の生もかけがえなく感じてもらえたら何よりも嬉しいことだから。
「え!?後尾!??
父ちゃんも母ちゃんも!!??」
「ええ、生き物ですからそうしないと体の構造上無理なの。
リアルに話すと私も恥ずかしいけど誰しもがそうなんだよね。
パパと結婚して好きな人と一緒に生きていくことに希望を持ち、そこに新しい家族がいてくれたらもっと楽しかろうなっておもったの。
だから赤ちゃんきてくれないかなーって願った行為であなたたちが来てくれたんだよね。
嬉しかったよー。
来てほしいなーって時に呼んだけどちょっと時間かかったけどねえ。」
なんて話しながらついでに一言添える。
「うちはさ、そんな風にきてもらったからよかったけど、時々、今来てもらっちゃ困る時に赤ちゃん呼んじゃう人もいるでしょ。
まだ勉強したいなーとか、旅したいなーって時に来たら、赤ちゃんのお世話が面倒になっちゃうかもしれないじゃない。
だからあなたが大きくなって、好きな人と暮らすようになったとき、自分にとって、好きな人にとって、いつ赤ちゃんよんだら幸せかなってことは丁寧に考えて暮らしてね。
自分の人生も、好きな人の人生も、もちろん2人で楽しむ時間も味わって、今度は赤ちゃんとの時間をかけられるなーって思ったら呼んでほしいなってわたしは思ってるよ。
命のタネができてしまったらどうしようもできないから、そのことだけは、自分の人生がどうだったら幸せかを考えた上で動いてほしいな、と。
身体の構造的には高校生くらいでも赤ちゃんを産めるようにできてるんだよね。
女の子に生理があるように、男の子の身体も心も、大人になるために、それと子孫をのこそうという生物としての本能のために、変わっていくんだと思うの。」
ということも。
少し聞いてはまた時間が経ってから、じゃあさ、これはどういうことなの?って聞かれるので、なんか照れるけどねー、って言いながら伝えています。
変なことでも気持ちが悪いことでもないことを、彼らは自然界の営みからもうきちんと感じていると思うのです。
テレも含めつつ、こんな風に丁寧に伝えられるのは、子孫を残す、という自然界のサイクルをここで理解したから。
わたしにとって我が子は大きな喜びで、その命がやってくてくれた喜びを伝えたらいいだけだと思ったんですよね。
ホルモンのバランスで生理の頃、イライラしやすい時も伝えてます。
「悪いんだけどさ、生理だからイライラしやすいわー。全体的にあなた達にせいじゃないじゃないからあんま気にせんといて」って先手を打ったりもします、笑。
今日は1日目だからちょっとだるいわーっていうと気にしてくれるので、まあ、出血するわけだしね、しゃあないです!と言いながらいつも過ごしてますが、産む身体、女性の体のことをムスメにもムスコにも知っていてほしいと思うのです。
赤ちゃんを産む準備で子宮をお掃除しなくちゃいけないんだってずっと伝えてるので彼らもそれは分かっており、命の喜びもしってるのでオンナの人は大変だねーってムスコは最近言ってくれます。
気にしてくれてありがとー。
将来、奥さんできたら大事にしてあげてねー。
うん、わかってるよー。
がいつもの我が家のくだりです、笑。
全ては自然の営みです。
人間の身体も自然の営み。
自然の営みを伝えていく大切さも自然界から教わっています。