「生活をしやすくすること」と「便利」(その4)
さて今回の滞在、まずは生活しやすいように整えることから。
便利、というより、ここでできることは「生活をしやすく」すること。
畑を作って野菜を手に入れる必要があるし、雨漏りを治すよりも先にトイレ用の穴を掘ったり、蚊除けのレモングラスを植えたりと先にやることがあり、雨漏りは蚊帳の上にビニールを張って応急処置。人とコミュニケーションをとって夕飯作ったりする必要もある。
考えてみると、ここでの暮らしに「便利」はほとんどありません。洗濯は手洗いだし、ほしいものがあったら森から材料を分けてもらい、まずは自分で作れないか、考える。
今回私がはじめに手をかけたことは、蚊除けのために、うちの周りにレモングラスを植えたこと。しっかり根付くかわからないので大目にとってきて、うちの周りに株分けして移植しました。蚊帳も穴が開いていたりするので、ここに住み始めてしばらくは夜中に刺されまくります。身体が慣れてくるとほとんど気にならないのですがそれまでは夜の安眠のために死活問題なのでまずは必須。これと日中と寝る前の焚き火も蚊がよりつかなくなるために必要なこと。焚き火でいぶすレモングラスも群生地に取りに行かねばなりません。
この努力と三年目の経験値のおかげか、いつもは二週間悩まされるかゆみもはやくも軽くなりつつあります。
その次にしたことはトイレ用の穴掘り。山をちょっと登らないとトイレがないので自分ちのそばに穴を掘ります。用を足しても一週間もあれば匂いもなくなり、汚い、って思うようなものではなくなります。そもそも自分の身体から出たものを汚いと思うくらいの習慣を変えて行く必要があるのでは、と最近は思うけれど。。紙はすぐに分解されないので、ペットボトルに水を入れておいて用を済ませた後は、手動ウオッシュレット、笑笑。
そういえばこの手動ウオッシュレットの知恵、2ヶ月ほど入院した時にお風呂に入れずとっても、役に立ちました。共感してくださる方は一度試してみてください^_^。
水道が一階の土間にあり、夜、急な階段を子どもが上り下りするのは大変なので、水筒に水を入れてスタンバイ。歯磨き終えて、二階から外に向かってうがいをして、おしまい。
夕食後、6時半を過ぎ、夜は真っ暗なので蚊帳に入ってそのまま就寝。10時間近く寝て、起きたら焚き火をしてあったまって朝食の準備に入ります。我が家のキッチンは今、旦那さんが作ってくれているので、みんなのキッチンで。食事の様子はまた改めて報告です。
便利のない暮らしなので自分の無理のないペースでないとできないんですよね。人のペースに合わせることに慣れている私を、優しいサハイナンのまとめ役のサンドットさんが気遣ってくれ、その心持ちを習っています。
お母さんだから食事を作るのは当たり前、と思ってうごくけれど、朝食を食べない私に、食べない時は他の人で作るからいいよーて言ってくれるんですよね。「責任持ってしなくちゃいけない」と思っていたことが、ここではゆるい。「マイペンライ」、気にしないで、が合言葉のこの国のひとの気質のようですが、サンドットさんは特にそういう方で、こういう気張らないところを学びたいなーと思い、ここに毎年きています。
先日から訪れているタイファミリーもそんな感じで、できることをするなかで関係を作ってくれるのでいいなあと思います。今朝は親子で朝寝坊、寝坊しちゃったおはよーって起きてきて、頼まれたからーって、お花を摘んできてジャムを作る下ごしらえを始めます。それを大ちゃんたちが手伝いたいとそばに行くと、いいよーと教えてくれます。
バンコクは核家族化になり、親子の間の関わり方も変わってきているそうですが、それでも誰に対しても、いいよーって受け入れてくれるところとか、すぐにフレンドリーになっちゃうとことか、すごいなあ、さすが微笑みの国だなあっておもいます。
今年はタイ家族がもう一組いるのですが、その家族の1人が入院する必要ができた時に、一日中あずかってくれるのも自然で、預けられた子も不安になることなく遊んでいること。我が家も含めて家を行き来することも苦ではなく、お互い様の気持ちがあること。
この優しさや温かさや気遣いがすごいなあって改めておもいます。
今回もすでに学びが沢山あります。
他にももう一つ。ここにいると自然のヒーリング効果か怒ることも自然と減ってきます。それを実感できるので意識して怒ることに使うエネルギーを減らし、そちらに向けるエネルギーを充電して他のことに向けていこうとしている今日この頃。
いつでも、自分はどう生きて行きたいのか、それを心において過ごしています。
無理のないペースで生きること。たくさんの情報をえすぎて自分が揺れてしまうその時間がもったいなくて、無理していい顔して、疲れを溜めてしまうこともバカバカしくて。まだまだ身についた癖が邪魔をしてしまうけど、日々少しずつ、自分らしく生きるほうに向かっています。
だから人との関わりも甘える時は甘えて心からありがとーと伝えられるコミュニケーションをとっていきたいなあって感じています。
ここに来て始めた刺繍。この村はバスのくる時間も決まってないから手仕事があるとはかどってたのしいです。これはヘアバンド。せっかくなので日本刺繍。
それからゆるブラも完成です。改善版、第1弾。