日々は優しさで溢れてる。

心に傷を抱えてきた幼少期。我が子を授かり、それに苦しんだ。けれどもね、山が教えてくれたの。いきてる価値は誰かが決めるもんじゃない。自然は平等に、生きるための恩恵をいつも与えてくれてた。生きることの喜びは自分で感じていくものだから。そうして今を生きることを積み重ねてる。

そして札幌へ。(タイ暮らし日記最終日)

   明け方5時に仁川空港に到着。トランジットして待合の椅子で寝ます。そして七時、朝ごはん。キムパを食べました。玄米を使って無添加で作ってくれているみたいで、3本買ってみんなでいただきます。

f:id:yurukkosae:20170306193435j:image

 

   そしてひとしきり遊んで飛行機へ。ここまでくると日本人がいます。久しぶりに日本人の会話を聞きちょっと新鮮。でも私たち、すっかり英語とタイ語の脳になっており、家族でもコップンカー、とサンキューとくちずさんでます。

   

   コユのフルーツミール。私はローベジタリアンミールにしました。サラダとフルーツで美味しかったけれど、水分が多かったのでしょう、おトイレが近くなってしまいました。でも体調に合わせて予約でいろんな希望に応じてくれるので、家族の体調を見て選べるのでありがたいです。我が家はケチャップ、マヨネーズ嫌いの大ちゃんもいるのでキッズメニューは食べれないので。

f:id:yurukkosae:20170306193725j:image

 

    そして3時間ほどで札幌へ。帰ってきたー!!!日本語がたくさん聞こえる。なんだか懐かしい。そして荷物を絞り、新しい服を買い足さず、真っ黒になった服を宿に行くごとに減らしていったおかげでびっくりするくらい軽くコンパクトになり、空港を出ました。慣れてきたなあ。

 

    千歳からは空港バスでうちの近くのホテルまで向かいます。チケットを買ってバス停に行ったら、バス乗り場のおじさんに英語で話しかけられました。日本語で話してるのに。「バッゲージ、ここね。バッゲージ。」、そしてトイレに行ってくる、といった旦那さんに、「ノーノー、バスくる」。大爆笑しながら「日本人です、おじちゃん。これから自宅に帰るところだよ。」と伝えます。私たちですらだいちゃんがタイ人にみえるくらいだからそれは仕方ないですよね。でもうけました。

 

    バスを降り、今日の段取りを考えて、贅沢だけど外食することにしました。うちを暖めて、雪はね、バッテリーが上がってるだろう車の修理、バックの片付け。。。夕飯の材料買って作っていたら子どもたちが耐えられないだろうなあと。そしてホテルの料理屋さんでランチ。定食を4人で頂き4000円。わかっていたけど高いなあ。。食べ物の安いタイは500円もあれば済みます。豊かな風土が人々をさらに豊かにしてくれているのでしょうか、食べていきなーと声をかけてくれる人もたくさんいるし、朝の托鉢で村の人々がお坊さんに食べ物を渡すのですが、それも多かったら食べ物が欲しいとお寺に来た人にあげるのだそうです。それでも余ったら猫、犬に。野良犬の多いタイですが、そうされているからお腹が減って飛びついてくることもありません。命を大事にしあってるなあと感じます。

 

   こんなにお金がかかるとなると、日本では確かに厳しいなあ。食料自給率が低いからなのかな。こんな風に食べ物と家賃のために働く日本と、タイの田舎の違い。食べ物があれば不安にならないでしょう、とパーマカルチャーの大事さを口にした村長さんの顔を思い出します。本当に生きるにはまず食べ物、そうかもしれません。豊かな気候の国なのにこの自給率は勿体無いなとおもいます。

f:id:yurukkosae:20170306195737j:image

 

    今回の滞在、もちろん日本の素晴らしさも感じました。日本人の繊細さと誠実さがあるから、パンや洋食など外国の食べ物も美味しく作れ、新しい文化が生まれ、工業技術、サービスも素晴らしいと思います。ただ働く上で、暮らす上でもっとイライラせずにいきられたらもっと楽だろうなあ、、とそれだけは思いますが。

 

 

   ここでたべたメニューを選ぶ時に見たもの。シンプルになって来た私の心が揺れました笑。どれもこれもたべたいと。

f:id:yurukkosae:20170306201055j:image

 

   こんな綺麗に写真撮ってあって、季節ごとに新しいメニューが生まれて。タイの屋台はメニューは文字だけで、外食も特別なことではありません。みんなそんなに商売っ気もなく、ソムタムやに麺があってソムタム麺おいしそうだねっていっていたら、勘違いした店員さん。あっちに麺屋があるからパッタイ食べたかったらあっちにいったらいいよーといってくれる親切さ。人を羨ましがることもないようです。欲に慣れて来た私、これじゃ悩んでも仕方ないよなあ。。アパートの90歳になる大家さんと蕎麦屋に行った時、大家さんはなんも迷わず決めてました。そういう時代に育ったからなのかなと感じます。必要以上に情報集めない方が自分にとって楽だなあと経験通して感じています。

 

    そうしてうちに帰って、暮らせるようにうちをととのえておやすみなさい。久々のお布団、ありがたいです。

 

 

   

 

   

浦島太郎の私。(タイ暮らし日記86日目)

    今日はいよいよ国際空港。3ヶ月もここにいたのですっかり浦島太郎。そして去年もでしたが、森にいる間はなぜか札幌ライフが想像つかないのです。帰ったらどんな暮らしするのかな、どんなことしたいのかなー、私。少なくとも忙しく暮らすことだけはしないだろうと思います。

 

    この移動は小さな引っ越し。自分の好きな環境に身をおく暮らし。なので暮らしの荷物はこれからもっと減って行くでしょう。物に囲まれることが望む暮らし方ではないということがわかったシンプルな暮らし。欲しいもの、食べたいものはきりがなくて、でも今の我が家はそれを満たす収入源を持っていません。今日も食事の後、チョコオレを飲みたくなったものの、私には別腹はないのでお腹が空いている時にしようと自分に話しかけます。無理や我慢はしたくない。けれどいろんな角度から見て、何をしたいか、何を選択して行くか。気持ちは満たされても、胃が苦しくなってしまうので、ならば飲むのをやめて、どうしたら気持ちが満たされるだろうと考えます。いつも自分と向き合う日々です。

 

   ちなみに今日の朝ごはん、おかずかけご飯。タイでは主流のこのメニュ〜、旦那さんは毎週サタデーに食べていましたが、私は初でした。食事の量が去年より減ったので食べる機会がなかったのです。タイのご飯って薬草をたくさん使っていて美味しいのに残念なことに今はほとんどのお店でMSGを使っているので、お財布にも身体にも優しくなりました。今日は最初で最後なのでぐんと豪華に三種盛り。コユはあまり食べないのでご飯と目玉焼きを取り分け。MSGも取らなくてすむので、これに大好きなココナッツジュースの朝ごはんです。

f:id:yurukkosae:20170306192806j:image

 

   大ちゃんもサタデーはお昼はカオニャオ飲み、夕飯は好きなものをマーケットで買うスタイルだったので、この日は張り切って。私に似て、これはどんな味するんだろうと興味があるので食べて見たいものがいつも色々あるようです。角煮がとろけるほど煮込んであるけれど、おやつのように甘くて最後は残してました。

f:id:yurukkosae:20170306193223j:image

 

  この日は国際空港に移動して夜9時45分のフライト。子どもたちが空港で過ごすにはハードすぎるので空港のそばに安いホテルをとって7時ごろまで過ごします。街の中は暑すぎるし、ちいさいコユはゴロゴロしたり座ったりする場所が必要なので功をそうしました。空港で食事代と休憩のカフェ代を考えたら同じくらい。昼は屋台で買って、暑いのでほとんど室内で過ごしました。街の中で小さな人たちが飽きずに長居できる場所もないのでいい選択でした。

 

   大ちゃん、葉っぱが食べたいと自分専用サラダをゲット。コユにも分けてあげています。キャーキャー言いながら楽しむ2人。こんな風に兄弟でのやりとりがぐんとふえました。かわいいな。

f:id:yurukkosae:20170306193312j:image

 

    そうしているうちに火は暮れて空港に出発。出国後、売店を見たくて私だけ別行動でウロウロ。1時間くらいしてそろそろ搭乗口に行こうかなと向かい始めると、大ちゃんが半泣きで旦那さんと現れます。聞くと、「ママは時間にゆるすぎるからきっと乗り遅れる。帰れなくなったらこまる。」と、心配してくれていたそう。「大人だからいいよー。」という旦那さんに必死に伝え、搭乗時刻の1時間前になったら迎えに行く、と決めてくれたそうな。確かに時計ないなあ、そろそろ行かないとかな、くらいのアバウトさでおりました。母ちゃん、試食なんぞしておりました。わたしのこと、よく分かってる、心配かけてごめんなさい、大ちゃん。

 

    そして9時をすぎるとさすがにコユはうとうと。外に出れずとも大ちゃんとマックスで1日を楽しんでたものね。毎日楽しんで生きてるっていいね。

 

    飛行機に乗って出た機内食ビビンパ。あまり美味しい機内食に出会えないけどこれは美味しかったなあ。コユはまたもフルーツミールです。大ちゃんもキッズメニューは予約せず大人メニューに。キッズメニューはーハンバーガーとおやつとゼリー飲料なので避けてます。せめてお米があればいいかなというのと、選ぶのも楽しいかなと思い、大人メニュー。しっかり楽しんでくれてました。f:id:yurukkosae:20170306193344j:image

 

    気づいたら4人で着陸直前まで爆睡。移動も上手になってきたかな。後ろのおばちゃんがちょっと賑やかだったけど気にしないでねれるようになりました。楽になったなあ。

 

   

 

   

シティとはいえ、微笑みの国。豊かさってこういうことなのかな。(タイ暮らし86日目)

   今日はいよいよバンコクに向かいます。タクシーでナーンの空港まで行って、そこから飛行機でバンコクへ。

 

   最後の朝マーケットで恒例のチェンマイソーセージとチリとカオニャオを買います。あと枝豆も。市場のおばちゃんにも来年またくるよーと伝え出発。ありがとう、この街。ここの人たちの顔と優しさに触れた2年目、ここはすっかり私たちの故郷になりつつあります。

f:id:yurukkosae:20170304080425j:image

 

    空港にて。荷物の関係上、お土産はわずかですが、今年は綿の布を買いました。子どもたちのタイパンツを夏用に作る予定。三年くらい着れる形にしたいな。タイの服、化繊が流通しまくっていて、民族服と、お土産用くらいしか綿を見かけないんです。残念だな。飛行機に乗る人々はビシッと綺麗な服を着ていますが私たちはいまだ真っ黒、笑。

f:id:yurukkosae:20170304080447j:image

 

   そうしてバンコクへ。タクシーで安宿に向かうのですが、すごい渋滞。さすがシティー。。。田舎は移動に時間がかかりますがスイスイ、シティは近いのに時間がかかります。東京から札幌に引っ越した年の、GWのことを思い出します。

 

    ついた宿は団地の6階。この団地群がすごい。周りの道路も全てコンクリート。コンクリートで覆われると分解されないからでしょうか、ゴミと排水が目立ちます。こんな話をしながら、うちの中で収まりきらない子どもたちのエネルギーを放散しに、散歩へ。この暑さもコンクリートだからかな。超大型フードコートを見つけ、まずはちょっぴり贅沢な水分補給。マンゴースムージー。英語で値段を教えてくれたお兄さんに、タイ語で 「ナムターン マイアウ。」、砂糖なしで、というと、にっこりタイ語で返してくれます。一気に和んで嬉しかったな。

f:id:yurukkosae:20170304082914j:image

 

    f:id:yurukkosae:20170304081710j:image

 

   ここでの物価はナーンの2倍。シティだし、超大型団地群の中ですものね。でも通り過ぎる人々が忙しそうでなんだか寂しい気もします。とはいえ、タイのお国柄でしょうか、微笑みの国、と言われるだけあって、ゆっくりと買い物するとにっこりと対応してくれる店員さん。笑顔は安心と幸せを感じさせてくれるツールですね。私もそうありたいです。

 

   旦那さんと子どもたちの夕飯。おかずかけご飯とサラダ。私は近頃よく食べていたので今日は夕飯抜きました。このフードコート、美味しそうなものオンパレードだから、ちょっと名残惜しかったけど抜いてみたら身体が楽でした。明日の朝、美味しく食べよう。

f:id:yurukkosae:20170304082844j:image

f:id:yurukkosae:20170304082853j:image

 

    ありがたいのはキャベツとタイハーブ取り放題。薬草を普段に取り入れてる文化って素晴らしいなあと思います。

f:id:yurukkosae:20170304083233j:image

 

   大都会、散歩したけど子供達が過ごす場がなく持て余してます。自然はかぎりのない遊技場ですねー。

 

   

 

 

    

 

 

暮らしは学び。今日から二泊三日の旅。(タイ暮らし85日目)

   帰国まで二泊三日の旅行。日々を楽しく過ごすことに挑戦中の方我が家、お金もかかるので以前のように旅行もほとんど行かないでしょうから楽しみます!!

 

    そんなわけで今日は一泊トウンチャンの街に泊まります。お世話になった人たちにお礼を伝えに回りました。昨年よりわずかにわずかにタイ語ができるようになった私たち夫婦。嬉しい。けれど大ちゃんはさすがの吸収力。言葉を活用して文章を作れるようになってます。文法もあってる!!

 

    カオニャオを買いに行くときに「まだ残ってるか聞けるかなあ」とつぶやいていたら「ミー カオニャオ マイ?」だよ。と。。すごい。本当にすごいなあ、この能力。こんなことが何度もあり、私がみんなと英語で話してることも結構理解していてさっき言ってたねーなんていわれたり。私のたどたどしいスローな英語はほぼ理解しているそうな。言葉は感覚で身に付けるものなのかもしれませんね。家事の合間をぬって英語を自分で勉強すること、を諦めた私もここで5ヶ月過ごし、こういうときに使う言葉というのを身体で覚えられ、いま、最高潮に言葉の面白さを実感しています。こうして学べたら勉学はもっと面白いだろうなあ。。

 

   大ちゃんはここで自ら英語、タイ語、フランス語、中国語、ひらがなの書き順に興味を持ちました。数字オタクだった彼の世界がぐんと広がり、金槌を持つこと、ナイフを使うこと、川で泳ぐこと、自分で何が作れるか、、、、。それは国語、算数、理科、道徳、生活科、学校で教わること全てを含んでいるのだろうと思います。もちろん、ここでみんなに優しくしてもらった経験で、タイの子のようにコユに配慮する姿も見せてくれてます。それは学校的には道徳でしょうか、笑。でもこれは一部で私が気づけていないもっとたくさんの芽がニョキニョキはいているんだろうな。

 

    さてみんなへのお別れの挨拶まわり、まずはいつもバナナをくれるバナナ屋さん。お礼にピーナッツを持っていったら子供たちにあげなーと受け取ってもらえず、またバナナをいただきました。また来年くるよ、とタイ語で伝えわかれます。ありがとうございます、おばちゃん。

f:id:yurukkosae:20170304074650j:image

 

   そして昼のカオニャオを食べていたらいつものチキン屋さんがまた差し入れくれて。ありがとうございます。 ここの街は、みんなニコニコ、相手が喜ぶことを喜んでくれるのです。MSGだけどこれはもういいです、おじちゃんありがとう。

f:id:yurukkosae:20170304074844j:image

 

   ついたホテルでバナナを広げ追熟してます。この滞在で旦那さんが食べたバナナは850本以上。どれ抱く好きなんだろう。。私はパパイヤ40個くらいかな。。バナナ父ちゃんとパパイヤ母ちゃん、笑。

   f:id:yurukkosae:20170304074951j:image

 

   旅だぞーい、楽しむぞ。真っ黒になった服を所々で減らし、4人でバックパック15キロほどまで荷物が減る予定です。

f:id:yurukkosae:20170304075248j:image

 

   こうして旅1日目が過ぎて行きます。温水シャワーを浴びて、タオルでこすったら、子どもたちも私もわずかに綺麗になりました。温水シャワーに電気、快適ってすごい。けれども快適でなく不便でも人間暮らせるもので、それは意外にも面白いことを知っている自分が変化だなあと思います。お休みなさい。

帰国へ。(タイ暮らし84日目)

家族で過ごした   今日は出発の日。最後の朝ごはん、ピュアさんのご飯は絶品です。マンビーンのスープとおかゆ。パパイヤ。毎日食べたパパイヤも食べおさめ。ありがとう、サハイナンの森。家。

 

   できた畑にもお別れを告げ、みんなに水やりをたくします。村長さん流パーマカルチャーの畑は植物それぞれが助け合うようにタネを混ぜて植えます。ロンビーン、セサミ、きゅうり、パクチー、スイカ、かぼちゃ、わさび菜。。。大きく育ってみんなを笑顔にしてくれますように。

f:id:yurukkosae:20170303073821j:image

 

   朝食後、一緒に過ごした仲間と写真を撮ります。

f:id:yurukkosae:20170303074240j:image

 

   ありがとう。家族のような仲間たちです。村長さんちのジョンジョンは我が家のかわいい末っ子。可愛い弟です。鍬やナタを持って大ちゃんが追いかけられ必死で逃げトレーニングした日もいい思い出だね笑。ジョンジョンは小さな橋から落ちたり、コユは可愛がって遊ぼうと誘うのにズンズン進んでしまう大ちゃんのフォローをしていつだってジョンジョンの足取りに合わせてくれていました。みんなで切磋琢磨、育ちあって笑いあった日々。

f:id:yurukkosae:20170303074717j:image

 

   大ちゃんには鶏も家族です。時々鶏小屋に遊びに行くほどの仲でしたから。

 

   そうそうここで気づいたこと。家族で楽しく過ごしていると気の合う家族とすごくいい関係になれるのだと知りました。だから家族同士思い合える。村長さんちともフレンチファミリーとでもそうでした。だから知らないうちに助け合えているのです。時々ジョンジョンを預かる我が家、コユと大ちゃんの喧嘩を見守ってくれる村長さんたちとフレンチファミリー。昨日の火事では自分の命がまずは優先ではありますが、お互いの家族を思って必死で最善を尽くし、きっとその思いが通じたのだと思います。

笑いあって楽しんで、その土台には安心がありました。お互いを思いあってる安心感。改めてじっくり感じました。素敵な時間をありがとう。

 

    来年くるよー。すぐだね。と村長さんと、タイ語と日本語の勉強しあおうね。来年またここで待ち合わせだよ。とフレンチファミリーと、次はあなたのファームに行くねというともちろん!とピュアさんと。ここで過ごして時間はもう私から切り離せない大事な私の一部になりました。本当にありがとうございます。

山火事。最終日、いろいろおこりました。(タイ暮らし84日目)

   今日は最終日。家族でのんびりしようと思っていたら、朝から水不足の危機。二つあるタンクがすでに残りわずかになっている。旦那さん、朝から源泉まで行って原因を調べます。なので朝食は他の人にお願いして子どもたちと過ごします。最後のカシューナッツ焼き。本当に美味しくて子どもたち、食べまくります。だいぶ上手くなったものの1人5個食べる量を作るくらいが限界です。ちなみにこれを焼いた時にはねる漆の汁、目に入ると危険なようでおとなりのノアイさんが教えてくれました。何度もメガネに助けられたなあ。そのメガネも昨日のたき火の火でプラスチックのグラス部分が溶けてしまい、今日はスペアを。ここにきて使うとは思わなかったな。

 

   こどもたちと朝食を済ませたあと、旦那さん一時帰宅。のんびりする間も無く、作業に出かけます。今日は新築のお家で遊ぼうとみっていたのになー。そう思いながらうちに帰るとお隣さんがサハイナンの中でカシューナッツを拾い帰るところで、明日帰ることと、お礼を伝えます。タイ語しか通じないお隣のおばちゃん。明日、日本に行く。と単語単語で何度もなんどもいうと、一つづつ伝わり、理解してくれて、ハグで「キットウンナ。。」と抱きしめてくれます。キットウンナとはさみしいけど、、、って意味で親しくなると別れの時などに使うそうです。ありがとう、ありがとう、となんどもつたえます。優しいハグがぐっと心にしみます。そして子どもたちと集めたカシューナッツをプレゼントにして渡します。いつもこゆだけでなく大ちゃんも小さな人のようにぎゅっとハグしてくれたおばちゃん。こうして愛してくれることの豊かさを感じさせてもらっていました。本当に本当に、ありがとうございました。大好きなお隣さん、また来年きっと、きます。

 

   そして旦那さん帰宅。とりあえず水問題解決。おお、さすがだね。村長さんに任されるだけの経験を積んだんだね。ありがとう。でも歓喜後半戦にかかり源泉すら水が少ないようなので大切にしなくちゃ。

 

   お昼ご飯。大好きなジャックフルーツ炒め。きこれもしばらくお別れだなと思っていたら、今夜はバンブースティッキーライスだよとだんなさん。私たちのためにお別れパーティーをしてくれるそうです。ありがたいな。ここも私たちの故郷だな、そう感じます。

 

  そして昼食後、旦那さんは夕飯用の竹を取りに、私は新築ハウスの看板作り。大ちゃんが船を作り、大事にしている竹を、このまま焚付けにはしたくなくて新しいおうちに使うことを思いつきました。とりあえず即席。持っていたマッキーで書きます。単語のスペルを間違えたけど笑。

f:id:yurukkosae:20170303073245j:image

 

   そしてその後はフレンチのお友達がお別れティーパーティーに呼んでくれ、彼女のお家の新築祝いもしつつ、クッキーとお茶を囲みます。今日は特別、子どもたち食べてます。いや食べ過ぎてます。。。あとで爆発しないといいな。。

f:id:yurukkosae:20170303073257j:image

  

   と思っていたら側でパチパチと音がする。みんなでのぞいてみたら、大きなたき火。いや、火事だ!!!大人4人、一目散に現場へ。私は子どもたちを守りつつ、村長さんに知らせに叫びながら走ります。そしてパーマカルチャーコース中のみんなと一緒に現場に戻ったらすでに火は大きく広がっていました。みんなで呆然とします。どうしたらいいか全くわからない私。もはやバケツリレーではどうにもならない。そして私が動いたら子供達を守れない。なのでみんなに任せ、私は子どもたちをみながら状況を見守ります。どうやら枯れた葉っぱに燃え広がってるようでごうごうと言いながらどんどん大きな火に。みんなが火の燃え移りそうな落ち葉をよけて、燃え広がる火にあわせ、水道管を変えてホースで水を巻きながらこれ以上の広がりを防ごうと必死に頑張ってくれています。1時間は経ったでしょうか、みんなの緊張感も私の緊張感もマックス。私はひたすらひたすら祈るのみ、どうかみんなの命と村長さん、フレンチファミリーの夢が無くなりません用に、とひたすらひたすら森の神様に。考えるだけで手が震えるくらいできっと大丈夫と自分に言い聞かせながら祈りながら、全体を見てる自分にできることがあればやろうと見守ります。

 

   そのころ、村の人が火消し棒を持って駆けつけてきます。でもその頃にはだいぶ狭い範囲に収まり始めていました。みんなの思いと努力が通じた!!このままどうかおさまってほしい。一緒にお茶をしたフレンチのお友達が足に火傷をしても取ってきます。とりあえずハグしてお互いに気持ちを落ち着けて祈る見守る。。側に行った旦那さんを始め、みんな汗だく。どうかどうか。。。そして奇跡の鎮火。乾季のこの時期に。奇跡だったと私は思います。みんなの祈りが通じたのだと。

 

   ありがとうございます。森の神様に感謝を伝えます。みんなが無事で森も無事で。。緊張したみんなの顔がほぐれます。よかった、よかったよー。。。まだ気持がガクガクしてますが涙が出そうなくらいホッとしました。奇跡、本当にこの言葉がぴったりだと。ありがとうございます。私たちはきっと守られてる、自然界に。だからきっと自然の大きさを忘れてはいけないのだろうと思います。もっと自然の大きさを、大切さを知ること。忘れないように後世にも伝えながら生きて行くこと、今回のことでそれを強く感じました。シティライフで便利さに慣れ、ものに溢れ、食べることに溢れている今、忘れてしまったことが本当に多いとここで暮らしてかんじます。自分の身体を動かすことなく、当たり前のように暮らしているけれど、自分がもっと守られてることを知り、自分を愛し、身体を愛し、人も自然も愛すること。その上で必要なエネルギーだけをいただき、わずかな石油製品を使わせてもらう。電気を、火を使わせてもらう。そして人の資源をもらうのではなく、自分のそばにあるエネルギーを使う方法を人々が思い出すことができたらもっと穏やかに平和に過ごすことができるんじゃないかなーって妄想しています。この村では山に自生している竹で家を作り、切り落とした枝でまきをつくり暮らしているように、他の国の資源をいただかなくても自分の暮らしにあった必要なものは自分のそばでまかなえるような気がするのです。あくまでも妄想ですが笑。少なくとも快適すぎなくても楽しい暮らしはできているので。

 

   旦那さんの朝の水道管修理もこの奇跡の鎮火に大きく貢献していました。ありがとう、ありがとう。表彰ものだね。でも今の旦那さんは表彰よりも、帰ってきた村長さんの笑顔とフレンチファミリーの笑顔が何よりも嬉しいことだと思うけれど、本当にありがとう。こんな形ではありましたが、夫婦で大切にしているものが同じだったのだと再確認でき、大事なものを守れたこと、旦那さんを誇りに思います。ありがとうね。もっと旦那さんの考えていることに心を向けてみようとここに宣言します笑。いつもありがとう。

 

   そして夕飯。こんなことがあったので普通の夕飯になるかと思いきや一旦うちに帰ってキッチンに行くとみんなもう作業しています。いつもの穏やかな日常、けれどもこの団結で雰囲気がちょっと変わりました。みんなが火を気をつけようと意識したこと、そのことでもっとこの場所を大切にしながら過ごしていこうという雰囲気が伝わって。そんな中いただいたスティッキーライスは格別に美味しくて、ここでみんなで笑えることがありがたい、特別な夕飯でした。

f:id:yurukkosae:20170303073435j:image

 

ありがとうございます。この森に、村長さんファミリーに。フレンチファミリーに。村のみんなに。そしてここサハイナンで出会ってくれた100人近い世界のみんなに。

 

安心して暮らせるから楽しめるようになる。今を安心して生きたいな。(タイ暮らし83日目)

   ここで気づかせてもらったこと。ふと思ったことがありました。ここにきて3ヶ月、帰国直前にして今自分が毎日穏やかなのはきっと、不安がないからだということに。自分が自分で認められなくて、おどおどしていた私の人生ですが、それを受け入れられるようになり、こんな自分だけどこんな自分でいいじゃない、と思えるようになって、自分の中にいつでもあった不安がなくなっていることに気づいたのです。もちろん長年の癖は簡単には抜けず、時として不安な気持ちがやってきて、イライラしたり、揺れたりすることだってあります。けれども、思うのです。今の自分があるのは今までの経験があるからだと。今の自分を愛してくれる家族がいて、愛してくれる友人がいる。少ないけれど、深い愛で共に過ごす時間を楽しんでくれる人がそばにいる。だから私は私でいい、もっと愛してゆきたいと思うようになったら、不安がなくなり、穏やかさを持った自分がやってきてくれました。

 

   だから自分のペースで日々を過ごせる。やりたいことをできる範囲で欲張らずにやっていたら、時に子どもたちも協力するかのように自分の時間を楽しんでくれていたのです。そんな彼らの生き方に目を向けて感じてみたら、彼らもきっと不安がないのだろうとそう思えました。この村の子どもたちのように不安がない中で暮らすことで、楽しむことができるのだろうと最近感じています。そうして今を楽しむことを積み重ねて、優しさと穏やかさのある人になってゆくのかもしれないなと。

 

   だから思います。小さい時から不安のない中で育つこと、その土台の上に楽しみや優しさ、強さが積み重なって行くのではないかと。争いのない穏やかな世界で過ごすこと。たくさんの大人に見守られていたらきっと静かに育って行くことができるだろうと。今日訪れたこの村の人の暮らしがそうでした。子どもたちのアフタースクールの時間にここにきたことはなかったのですが今日はちょうどそんな時間で私たちの乗った車の荷台に大ちゃんの友達がたくさんの捕まってよじ登ってきます。そうしたまま車は出発、時折降りて荷台に捕まって引きずられてみたり、荷台の外側にも3人もよじ登って、俺たちも日本に行くぞ〜って叫びながらしがみ付いてきたり、男子の遊びはじつにワイルド。でも周りの大人は何も言いません。静かに、掃除をしたり、夕方の野菜売りの支度をしたり、軒先で仕事仲間とお疲れ晩酌をしていたりしながら見守っています。帰りに川の売店によると、お店の人にヌードルを作ってもらって食べていたり、学校の先生や仕事を終えた大人が川の子供達を見ていたりするのです。

 

   学校が終わった時間はとっても賑やかで色んな路地から子供達が次々に顔を出してコユや大ちゃんに声をかけたり付いてきたり。付いてきて一緒に楽しんだ後は、川に行きいきなりパンツ一丁で次々にバッシャーン!!これだけエネルギーを発散する先があれば子どもたちは心も体も経験も豊かに育つだろうなと感じます。今をマックスで楽しむ子どもの姿に心震えます。そしてそんな実に穏やかな日常風景に改めて驚きます。想像はしていたけどやっぱり自分の今まで生きてきた世界と比較してしまうのでつい驚いてしまったのです。

 

   そして幼稚園くらいの子も親なしで川で遊んでいるのですが、14歳の男の子が抱っこして何人かを見てくれています。本当にその配慮に感動してしまいます。いやいやではなく自然にそんな行為ができる彼らに。また他の子は顔見知りの私たちの事を思い、手作りのお惣菜をお土産に手渡してくれたり、この豊かさに心震えてばかりの時間でした。

 

   そんな今日1日も良く動きました。朝から旦那さんの建築現場にてスコールで基礎が流れないよう水の通り道を作りました。クワ一つで、硬い土を掘り出し、お堀状態に。かなりへびいな仕事でしたがこうして人の力で色んなことができることを学びます。ここにコンクリを埋めずとも、一生使おうと思わずに自然と相談しながら生きて行くならそれでじゅうぶん。

f:id:yurukkosae:20170303072448j:image

 

   そして虫除けの火起こしをしながらおやつのカシューナッツ焼き。昨日失敗しまくって落ち込んでいた大ちゃんに食べさせてあげたくて張り切りました。わずかにしか作れないのに大好きな村長さんの奥さんに分けてあげたいんだという彼の優しさと愛も汲みたくて。火の中に入れるとあっという間にカシューまで炭になってしまうし、わずかな隅の上で焼くとカシューの水分で途中焼きで火が消えてしまうのでその塩梅が難しい。研究しまくり、まずまきを炭にしてからいくつかを放り込み、焼き具合を調節、そうして少しずつ火をずらして新しい炭を作ってはまた焼いて行く方法をとってみたら一度に15個近く成功。メガネのレンズが意外にも弱く、炭から出放熱される熱で溶けてしまったという驚きとショックはありましたが、カシューナッツ焼き屋さんになれそうです笑。焼きたての香ばしさと甘みは何にも負けない美味しさです。

 

   そして午後から海藻を取りに。断崖絶壁の岩や、流れの急な川を渡ってゆきます。深さも定まらないこの川で遊び、岩の山を登り、遠く自分のうちの畑まで仕事を手伝いに出かける子どもたちを想像するとこの体力、本当に尊敬します。だからあんな重い木を軽々と持ち上げ、こんな時はどうしたらいいかサクサク考えて動く人になるのでしょう。人をうらやんだり、争ったりするよりも、自分がしたいことを本当にわかっているのだろうなと思います。

 

畑だけでなく川からもハーベスト。自然は本当に偉大な存在だと思います。

f:id:yurukkosae:20170303072518j:image

 

 

綺麗な海藻を探して泳いでます笑。水の流れのあるところからとるのがベスト。突然深くなったりもします。

f:id:yurukkosae:20170303072529j:image

 

ここに海藻を取りに行くまでに岩場をとおり水の流れの強い川を渡ります。流されないように水の勢いを弱めるために流れに対して斜めに歩きます。こういうことを子どものうちから自分で経験して考えるって素晴らしいと思います。自然が育ててくれるって本当ですね。

f:id:yurukkosae:20170303072752j:image