家族で思いのキャッチボール。
タイのジャングル滞在中、滞在者のみんなにつくりかたを教えて欲しいと頼まれて、息子とココナッツオイルを作った時の一コマ。
ココナッツの皮を剥いで、タネの中にある胚の様な部分を地道に削いでいく。
そうしてそれを集め、お湯に中で揉んでココナッツミルクが出来上がる。
それを鍋に入れて水分を蒸発させて行く。焦がさないように、丁寧に丁寧に、薪の火加減を調節しながら。
素人の私たちがするこの作業に2時間、出来上がったココナッツオイルは、一つのココナッツからたった大さじ2のオイル。
一緒に作った息子と日本で買えるオーガニックのオイルに話になる。
オーガニックココナッツオイルは500グラムも入って一本1200円。
これは安すぎる!!!
何だか申し訳ないよね。
この値段のこれはどうできているのか。
その裏側を想像してみたり、知ろうとしてみると、自分がどう生かしてもらっているのかという大事なことに気がつくよね、親子でじっくりとそんな話になった。
暮らしをとことんいっしょにしていく。
お金の話も食べ物に話も、身体の不調に話も、興味や疑問を持ったその都度共有していく。
滞在者の人が持った疑問をテーマにみんなで立ち止まる。
そして夜は、家族で焚き火を囲んで火を保ちながら、ふとそんな話になる。
不便だからこそ丁寧にする暮らしの中にあるそんな一コマ。
今では子どもたちも、その積み重ねで染み付いた感覚のおかげで、何でこんなに安いのだろう、と疑問を持つか、原材料表示を必ず確認して買う、とか、自然とする様になりました。
1日が穏やかに過ぎていく感謝をしなが交わす家族での夜のやり取りはなによりも大切で豊かなものだと思うのです。
そしてね、豊かにホームスクールを営ませてもらってると思います。
私がその時々に思う、「これは学びだな」って気づきでは子どもの興味には対応しきれないと感じています。
こうして暮らしを共に過ごしてくれる仲間がいて、それを何年も時間をかけて積み重ねて、「ああ、こういうことも全て学びだったんだな。」と、今気づかせてもらった。
自分たちの心地よさを求めてきた中に、自分が知りたい学びが他にも詰まっていたんだな、と、「自分がどういきていきたいか」を問うてきたことで得たもう一つのものに、きがつけました。
嬉しいな。
そして、こうして我が家はお互いの意識のキャッチボールをしてきたんだなあと、そんな流れに感謝をしながら今を噛み締めています。