日々は優しさで溢れてる。

心に傷を抱えてきた幼少期。我が子を授かり、それに苦しんだ。けれどもね、山が教えてくれたの。いきてる価値は誰かが決めるもんじゃない。自然は平等に、生きるための恩恵をいつも与えてくれてた。生きることの喜びは自分で感じていくものだから。そうして今を生きることを積み重ねてる。

山火事。最終日、いろいろおこりました。(タイ暮らし84日目)

   今日は最終日。家族でのんびりしようと思っていたら、朝から水不足の危機。二つあるタンクがすでに残りわずかになっている。旦那さん、朝から源泉まで行って原因を調べます。なので朝食は他の人にお願いして子どもたちと過ごします。最後のカシューナッツ焼き。本当に美味しくて子どもたち、食べまくります。だいぶ上手くなったものの1人5個食べる量を作るくらいが限界です。ちなみにこれを焼いた時にはねる漆の汁、目に入ると危険なようでおとなりのノアイさんが教えてくれました。何度もメガネに助けられたなあ。そのメガネも昨日のたき火の火でプラスチックのグラス部分が溶けてしまい、今日はスペアを。ここにきて使うとは思わなかったな。

 

   こどもたちと朝食を済ませたあと、旦那さん一時帰宅。のんびりする間も無く、作業に出かけます。今日は新築のお家で遊ぼうとみっていたのになー。そう思いながらうちに帰るとお隣さんがサハイナンの中でカシューナッツを拾い帰るところで、明日帰ることと、お礼を伝えます。タイ語しか通じないお隣のおばちゃん。明日、日本に行く。と単語単語で何度もなんどもいうと、一つづつ伝わり、理解してくれて、ハグで「キットウンナ。。」と抱きしめてくれます。キットウンナとはさみしいけど、、、って意味で親しくなると別れの時などに使うそうです。ありがとう、ありがとう、となんどもつたえます。優しいハグがぐっと心にしみます。そして子どもたちと集めたカシューナッツをプレゼントにして渡します。いつもこゆだけでなく大ちゃんも小さな人のようにぎゅっとハグしてくれたおばちゃん。こうして愛してくれることの豊かさを感じさせてもらっていました。本当に本当に、ありがとうございました。大好きなお隣さん、また来年きっと、きます。

 

   そして旦那さん帰宅。とりあえず水問題解決。おお、さすがだね。村長さんに任されるだけの経験を積んだんだね。ありがとう。でも歓喜後半戦にかかり源泉すら水が少ないようなので大切にしなくちゃ。

 

   お昼ご飯。大好きなジャックフルーツ炒め。きこれもしばらくお別れだなと思っていたら、今夜はバンブースティッキーライスだよとだんなさん。私たちのためにお別れパーティーをしてくれるそうです。ありがたいな。ここも私たちの故郷だな、そう感じます。

 

  そして昼食後、旦那さんは夕飯用の竹を取りに、私は新築ハウスの看板作り。大ちゃんが船を作り、大事にしている竹を、このまま焚付けにはしたくなくて新しいおうちに使うことを思いつきました。とりあえず即席。持っていたマッキーで書きます。単語のスペルを間違えたけど笑。

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   そしてその後はフレンチのお友達がお別れティーパーティーに呼んでくれ、彼女のお家の新築祝いもしつつ、クッキーとお茶を囲みます。今日は特別、子どもたち食べてます。いや食べ過ぎてます。。。あとで爆発しないといいな。。

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   と思っていたら側でパチパチと音がする。みんなでのぞいてみたら、大きなたき火。いや、火事だ!!!大人4人、一目散に現場へ。私は子どもたちを守りつつ、村長さんに知らせに叫びながら走ります。そしてパーマカルチャーコース中のみんなと一緒に現場に戻ったらすでに火は大きく広がっていました。みんなで呆然とします。どうしたらいいか全くわからない私。もはやバケツリレーではどうにもならない。そして私が動いたら子供達を守れない。なのでみんなに任せ、私は子どもたちをみながら状況を見守ります。どうやら枯れた葉っぱに燃え広がってるようでごうごうと言いながらどんどん大きな火に。みんなが火の燃え移りそうな落ち葉をよけて、燃え広がる火にあわせ、水道管を変えてホースで水を巻きながらこれ以上の広がりを防ごうと必死に頑張ってくれています。1時間は経ったでしょうか、みんなの緊張感も私の緊張感もマックス。私はひたすらひたすら祈るのみ、どうかみんなの命と村長さん、フレンチファミリーの夢が無くなりません用に、とひたすらひたすら森の神様に。考えるだけで手が震えるくらいできっと大丈夫と自分に言い聞かせながら祈りながら、全体を見てる自分にできることがあればやろうと見守ります。

 

   そのころ、村の人が火消し棒を持って駆けつけてきます。でもその頃にはだいぶ狭い範囲に収まり始めていました。みんなの思いと努力が通じた!!このままどうかおさまってほしい。一緒にお茶をしたフレンチのお友達が足に火傷をしても取ってきます。とりあえずハグしてお互いに気持ちを落ち着けて祈る見守る。。側に行った旦那さんを始め、みんな汗だく。どうかどうか。。。そして奇跡の鎮火。乾季のこの時期に。奇跡だったと私は思います。みんなの祈りが通じたのだと。

 

   ありがとうございます。森の神様に感謝を伝えます。みんなが無事で森も無事で。。緊張したみんなの顔がほぐれます。よかった、よかったよー。。。まだ気持がガクガクしてますが涙が出そうなくらいホッとしました。奇跡、本当にこの言葉がぴったりだと。ありがとうございます。私たちはきっと守られてる、自然界に。だからきっと自然の大きさを忘れてはいけないのだろうと思います。もっと自然の大きさを、大切さを知ること。忘れないように後世にも伝えながら生きて行くこと、今回のことでそれを強く感じました。シティライフで便利さに慣れ、ものに溢れ、食べることに溢れている今、忘れてしまったことが本当に多いとここで暮らしてかんじます。自分の身体を動かすことなく、当たり前のように暮らしているけれど、自分がもっと守られてることを知り、自分を愛し、身体を愛し、人も自然も愛すること。その上で必要なエネルギーだけをいただき、わずかな石油製品を使わせてもらう。電気を、火を使わせてもらう。そして人の資源をもらうのではなく、自分のそばにあるエネルギーを使う方法を人々が思い出すことができたらもっと穏やかに平和に過ごすことができるんじゃないかなーって妄想しています。この村では山に自生している竹で家を作り、切り落とした枝でまきをつくり暮らしているように、他の国の資源をいただかなくても自分の暮らしにあった必要なものは自分のそばでまかなえるような気がするのです。あくまでも妄想ですが笑。少なくとも快適すぎなくても楽しい暮らしはできているので。

 

   旦那さんの朝の水道管修理もこの奇跡の鎮火に大きく貢献していました。ありがとう、ありがとう。表彰ものだね。でも今の旦那さんは表彰よりも、帰ってきた村長さんの笑顔とフレンチファミリーの笑顔が何よりも嬉しいことだと思うけれど、本当にありがとう。こんな形ではありましたが、夫婦で大切にしているものが同じだったのだと再確認でき、大事なものを守れたこと、旦那さんを誇りに思います。ありがとうね。もっと旦那さんの考えていることに心を向けてみようとここに宣言します笑。いつもありがとう。

 

   そして夕飯。こんなことがあったので普通の夕飯になるかと思いきや一旦うちに帰ってキッチンに行くとみんなもう作業しています。いつもの穏やかな日常、けれどもこの団結で雰囲気がちょっと変わりました。みんなが火を気をつけようと意識したこと、そのことでもっとこの場所を大切にしながら過ごしていこうという雰囲気が伝わって。そんな中いただいたスティッキーライスは格別に美味しくて、ここでみんなで笑えることがありがたい、特別な夕飯でした。

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ありがとうございます。この森に、村長さんファミリーに。フレンチファミリーに。村のみんなに。そしてここサハイナンで出会ってくれた100人近い世界のみんなに。