日々は優しさで溢れてる。

心に傷を抱えてきた幼少期。我が子を授かり、それに苦しんだ。けれどもね、山が教えてくれたの。いきてる価値は誰かが決めるもんじゃない。自然は平等に、生きるための恩恵をいつも与えてくれてた。生きることの喜びは自分で感じていくものだから。そうして今を生きることを積み重ねてる。

シティとはいえ、微笑みの国。豊かさってこういうことなのかな。(タイ暮らし86日目)

   今日はいよいよバンコクに向かいます。タクシーでナーンの空港まで行って、そこから飛行機でバンコクへ。

 

   最後の朝マーケットで恒例のチェンマイソーセージとチリとカオニャオを買います。あと枝豆も。市場のおばちゃんにも来年またくるよーと伝え出発。ありがとう、この街。ここの人たちの顔と優しさに触れた2年目、ここはすっかり私たちの故郷になりつつあります。

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    空港にて。荷物の関係上、お土産はわずかですが、今年は綿の布を買いました。子どもたちのタイパンツを夏用に作る予定。三年くらい着れる形にしたいな。タイの服、化繊が流通しまくっていて、民族服と、お土産用くらいしか綿を見かけないんです。残念だな。飛行機に乗る人々はビシッと綺麗な服を着ていますが私たちはいまだ真っ黒、笑。

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   そうしてバンコクへ。タクシーで安宿に向かうのですが、すごい渋滞。さすがシティー。。。田舎は移動に時間がかかりますがスイスイ、シティは近いのに時間がかかります。東京から札幌に引っ越した年の、GWのことを思い出します。

 

    ついた宿は団地の6階。この団地群がすごい。周りの道路も全てコンクリート。コンクリートで覆われると分解されないからでしょうか、ゴミと排水が目立ちます。こんな話をしながら、うちの中で収まりきらない子どもたちのエネルギーを放散しに、散歩へ。この暑さもコンクリートだからかな。超大型フードコートを見つけ、まずはちょっぴり贅沢な水分補給。マンゴースムージー。英語で値段を教えてくれたお兄さんに、タイ語で 「ナムターン マイアウ。」、砂糖なしで、というと、にっこりタイ語で返してくれます。一気に和んで嬉しかったな。

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   ここでの物価はナーンの2倍。シティだし、超大型団地群の中ですものね。でも通り過ぎる人々が忙しそうでなんだか寂しい気もします。とはいえ、タイのお国柄でしょうか、微笑みの国、と言われるだけあって、ゆっくりと買い物するとにっこりと対応してくれる店員さん。笑顔は安心と幸せを感じさせてくれるツールですね。私もそうありたいです。

 

   旦那さんと子どもたちの夕飯。おかずかけご飯とサラダ。私は近頃よく食べていたので今日は夕飯抜きました。このフードコート、美味しそうなものオンパレードだから、ちょっと名残惜しかったけど抜いてみたら身体が楽でした。明日の朝、美味しく食べよう。

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    ありがたいのはキャベツとタイハーブ取り放題。薬草を普段に取り入れてる文化って素晴らしいなあと思います。

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   大都会、散歩したけど子供達が過ごす場がなく持て余してます。自然はかぎりのない遊技場ですねー。

 

   

 

 

    

 

 

暮らしは学び。今日から二泊三日の旅。(タイ暮らし85日目)

   帰国まで二泊三日の旅行。日々を楽しく過ごすことに挑戦中の方我が家、お金もかかるので以前のように旅行もほとんど行かないでしょうから楽しみます!!

 

    そんなわけで今日は一泊トウンチャンの街に泊まります。お世話になった人たちにお礼を伝えに回りました。昨年よりわずかにわずかにタイ語ができるようになった私たち夫婦。嬉しい。けれど大ちゃんはさすがの吸収力。言葉を活用して文章を作れるようになってます。文法もあってる!!

 

    カオニャオを買いに行くときに「まだ残ってるか聞けるかなあ」とつぶやいていたら「ミー カオニャオ マイ?」だよ。と。。すごい。本当にすごいなあ、この能力。こんなことが何度もあり、私がみんなと英語で話してることも結構理解していてさっき言ってたねーなんていわれたり。私のたどたどしいスローな英語はほぼ理解しているそうな。言葉は感覚で身に付けるものなのかもしれませんね。家事の合間をぬって英語を自分で勉強すること、を諦めた私もここで5ヶ月過ごし、こういうときに使う言葉というのを身体で覚えられ、いま、最高潮に言葉の面白さを実感しています。こうして学べたら勉学はもっと面白いだろうなあ。。

 

   大ちゃんはここで自ら英語、タイ語、フランス語、中国語、ひらがなの書き順に興味を持ちました。数字オタクだった彼の世界がぐんと広がり、金槌を持つこと、ナイフを使うこと、川で泳ぐこと、自分で何が作れるか、、、、。それは国語、算数、理科、道徳、生活科、学校で教わること全てを含んでいるのだろうと思います。もちろん、ここでみんなに優しくしてもらった経験で、タイの子のようにコユに配慮する姿も見せてくれてます。それは学校的には道徳でしょうか、笑。でもこれは一部で私が気づけていないもっとたくさんの芽がニョキニョキはいているんだろうな。

 

    さてみんなへのお別れの挨拶まわり、まずはいつもバナナをくれるバナナ屋さん。お礼にピーナッツを持っていったら子供たちにあげなーと受け取ってもらえず、またバナナをいただきました。また来年くるよ、とタイ語で伝えわかれます。ありがとうございます、おばちゃん。

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   そして昼のカオニャオを食べていたらいつものチキン屋さんがまた差し入れくれて。ありがとうございます。 ここの街は、みんなニコニコ、相手が喜ぶことを喜んでくれるのです。MSGだけどこれはもういいです、おじちゃんありがとう。

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   ついたホテルでバナナを広げ追熟してます。この滞在で旦那さんが食べたバナナは850本以上。どれ抱く好きなんだろう。。私はパパイヤ40個くらいかな。。バナナ父ちゃんとパパイヤ母ちゃん、笑。

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   旅だぞーい、楽しむぞ。真っ黒になった服を所々で減らし、4人でバックパック15キロほどまで荷物が減る予定です。

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   こうして旅1日目が過ぎて行きます。温水シャワーを浴びて、タオルでこすったら、子どもたちも私もわずかに綺麗になりました。温水シャワーに電気、快適ってすごい。けれども快適でなく不便でも人間暮らせるもので、それは意外にも面白いことを知っている自分が変化だなあと思います。お休みなさい。

帰国へ。(タイ暮らし84日目)

家族で過ごした   今日は出発の日。最後の朝ごはん、ピュアさんのご飯は絶品です。マンビーンのスープとおかゆ。パパイヤ。毎日食べたパパイヤも食べおさめ。ありがとう、サハイナンの森。家。

 

   できた畑にもお別れを告げ、みんなに水やりをたくします。村長さん流パーマカルチャーの畑は植物それぞれが助け合うようにタネを混ぜて植えます。ロンビーン、セサミ、きゅうり、パクチー、スイカ、かぼちゃ、わさび菜。。。大きく育ってみんなを笑顔にしてくれますように。

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   朝食後、一緒に過ごした仲間と写真を撮ります。

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   ありがとう。家族のような仲間たちです。村長さんちのジョンジョンは我が家のかわいい末っ子。可愛い弟です。鍬やナタを持って大ちゃんが追いかけられ必死で逃げトレーニングした日もいい思い出だね笑。ジョンジョンは小さな橋から落ちたり、コユは可愛がって遊ぼうと誘うのにズンズン進んでしまう大ちゃんのフォローをしていつだってジョンジョンの足取りに合わせてくれていました。みんなで切磋琢磨、育ちあって笑いあった日々。

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   大ちゃんには鶏も家族です。時々鶏小屋に遊びに行くほどの仲でしたから。

 

   そうそうここで気づいたこと。家族で楽しく過ごしていると気の合う家族とすごくいい関係になれるのだと知りました。だから家族同士思い合える。村長さんちともフレンチファミリーとでもそうでした。だから知らないうちに助け合えているのです。時々ジョンジョンを預かる我が家、コユと大ちゃんの喧嘩を見守ってくれる村長さんたちとフレンチファミリー。昨日の火事では自分の命がまずは優先ではありますが、お互いの家族を思って必死で最善を尽くし、きっとその思いが通じたのだと思います。

笑いあって楽しんで、その土台には安心がありました。お互いを思いあってる安心感。改めてじっくり感じました。素敵な時間をありがとう。

 

    来年くるよー。すぐだね。と村長さんと、タイ語と日本語の勉強しあおうね。来年またここで待ち合わせだよ。とフレンチファミリーと、次はあなたのファームに行くねというともちろん!とピュアさんと。ここで過ごして時間はもう私から切り離せない大事な私の一部になりました。本当にありがとうございます。

山火事。最終日、いろいろおこりました。(タイ暮らし84日目)

   今日は最終日。家族でのんびりしようと思っていたら、朝から水不足の危機。二つあるタンクがすでに残りわずかになっている。旦那さん、朝から源泉まで行って原因を調べます。なので朝食は他の人にお願いして子どもたちと過ごします。最後のカシューナッツ焼き。本当に美味しくて子どもたち、食べまくります。だいぶ上手くなったものの1人5個食べる量を作るくらいが限界です。ちなみにこれを焼いた時にはねる漆の汁、目に入ると危険なようでおとなりのノアイさんが教えてくれました。何度もメガネに助けられたなあ。そのメガネも昨日のたき火の火でプラスチックのグラス部分が溶けてしまい、今日はスペアを。ここにきて使うとは思わなかったな。

 

   こどもたちと朝食を済ませたあと、旦那さん一時帰宅。のんびりする間も無く、作業に出かけます。今日は新築のお家で遊ぼうとみっていたのになー。そう思いながらうちに帰るとお隣さんがサハイナンの中でカシューナッツを拾い帰るところで、明日帰ることと、お礼を伝えます。タイ語しか通じないお隣のおばちゃん。明日、日本に行く。と単語単語で何度もなんどもいうと、一つづつ伝わり、理解してくれて、ハグで「キットウンナ。。」と抱きしめてくれます。キットウンナとはさみしいけど、、、って意味で親しくなると別れの時などに使うそうです。ありがとう、ありがとう、となんどもつたえます。優しいハグがぐっと心にしみます。そして子どもたちと集めたカシューナッツをプレゼントにして渡します。いつもこゆだけでなく大ちゃんも小さな人のようにぎゅっとハグしてくれたおばちゃん。こうして愛してくれることの豊かさを感じさせてもらっていました。本当に本当に、ありがとうございました。大好きなお隣さん、また来年きっと、きます。

 

   そして旦那さん帰宅。とりあえず水問題解決。おお、さすがだね。村長さんに任されるだけの経験を積んだんだね。ありがとう。でも歓喜後半戦にかかり源泉すら水が少ないようなので大切にしなくちゃ。

 

   お昼ご飯。大好きなジャックフルーツ炒め。きこれもしばらくお別れだなと思っていたら、今夜はバンブースティッキーライスだよとだんなさん。私たちのためにお別れパーティーをしてくれるそうです。ありがたいな。ここも私たちの故郷だな、そう感じます。

 

  そして昼食後、旦那さんは夕飯用の竹を取りに、私は新築ハウスの看板作り。大ちゃんが船を作り、大事にしている竹を、このまま焚付けにはしたくなくて新しいおうちに使うことを思いつきました。とりあえず即席。持っていたマッキーで書きます。単語のスペルを間違えたけど笑。

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   そしてその後はフレンチのお友達がお別れティーパーティーに呼んでくれ、彼女のお家の新築祝いもしつつ、クッキーとお茶を囲みます。今日は特別、子どもたち食べてます。いや食べ過ぎてます。。。あとで爆発しないといいな。。

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   と思っていたら側でパチパチと音がする。みんなでのぞいてみたら、大きなたき火。いや、火事だ!!!大人4人、一目散に現場へ。私は子どもたちを守りつつ、村長さんに知らせに叫びながら走ります。そしてパーマカルチャーコース中のみんなと一緒に現場に戻ったらすでに火は大きく広がっていました。みんなで呆然とします。どうしたらいいか全くわからない私。もはやバケツリレーではどうにもならない。そして私が動いたら子供達を守れない。なのでみんなに任せ、私は子どもたちをみながら状況を見守ります。どうやら枯れた葉っぱに燃え広がってるようでごうごうと言いながらどんどん大きな火に。みんなが火の燃え移りそうな落ち葉をよけて、燃え広がる火にあわせ、水道管を変えてホースで水を巻きながらこれ以上の広がりを防ごうと必死に頑張ってくれています。1時間は経ったでしょうか、みんなの緊張感も私の緊張感もマックス。私はひたすらひたすら祈るのみ、どうかみんなの命と村長さん、フレンチファミリーの夢が無くなりません用に、とひたすらひたすら森の神様に。考えるだけで手が震えるくらいできっと大丈夫と自分に言い聞かせながら祈りながら、全体を見てる自分にできることがあればやろうと見守ります。

 

   そのころ、村の人が火消し棒を持って駆けつけてきます。でもその頃にはだいぶ狭い範囲に収まり始めていました。みんなの思いと努力が通じた!!このままどうかおさまってほしい。一緒にお茶をしたフレンチのお友達が足に火傷をしても取ってきます。とりあえずハグしてお互いに気持ちを落ち着けて祈る見守る。。側に行った旦那さんを始め、みんな汗だく。どうかどうか。。。そして奇跡の鎮火。乾季のこの時期に。奇跡だったと私は思います。みんなの祈りが通じたのだと。

 

   ありがとうございます。森の神様に感謝を伝えます。みんなが無事で森も無事で。。緊張したみんなの顔がほぐれます。よかった、よかったよー。。。まだ気持がガクガクしてますが涙が出そうなくらいホッとしました。奇跡、本当にこの言葉がぴったりだと。ありがとうございます。私たちはきっと守られてる、自然界に。だからきっと自然の大きさを忘れてはいけないのだろうと思います。もっと自然の大きさを、大切さを知ること。忘れないように後世にも伝えながら生きて行くこと、今回のことでそれを強く感じました。シティライフで便利さに慣れ、ものに溢れ、食べることに溢れている今、忘れてしまったことが本当に多いとここで暮らしてかんじます。自分の身体を動かすことなく、当たり前のように暮らしているけれど、自分がもっと守られてることを知り、自分を愛し、身体を愛し、人も自然も愛すること。その上で必要なエネルギーだけをいただき、わずかな石油製品を使わせてもらう。電気を、火を使わせてもらう。そして人の資源をもらうのではなく、自分のそばにあるエネルギーを使う方法を人々が思い出すことができたらもっと穏やかに平和に過ごすことができるんじゃないかなーって妄想しています。この村では山に自生している竹で家を作り、切り落とした枝でまきをつくり暮らしているように、他の国の資源をいただかなくても自分の暮らしにあった必要なものは自分のそばでまかなえるような気がするのです。あくまでも妄想ですが笑。少なくとも快適すぎなくても楽しい暮らしはできているので。

 

   旦那さんの朝の水道管修理もこの奇跡の鎮火に大きく貢献していました。ありがとう、ありがとう。表彰ものだね。でも今の旦那さんは表彰よりも、帰ってきた村長さんの笑顔とフレンチファミリーの笑顔が何よりも嬉しいことだと思うけれど、本当にありがとう。こんな形ではありましたが、夫婦で大切にしているものが同じだったのだと再確認でき、大事なものを守れたこと、旦那さんを誇りに思います。ありがとうね。もっと旦那さんの考えていることに心を向けてみようとここに宣言します笑。いつもありがとう。

 

   そして夕飯。こんなことがあったので普通の夕飯になるかと思いきや一旦うちに帰ってキッチンに行くとみんなもう作業しています。いつもの穏やかな日常、けれどもこの団結で雰囲気がちょっと変わりました。みんなが火を気をつけようと意識したこと、そのことでもっとこの場所を大切にしながら過ごしていこうという雰囲気が伝わって。そんな中いただいたスティッキーライスは格別に美味しくて、ここでみんなで笑えることがありがたい、特別な夕飯でした。

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ありがとうございます。この森に、村長さんファミリーに。フレンチファミリーに。村のみんなに。そしてここサハイナンで出会ってくれた100人近い世界のみんなに。

 

安心して暮らせるから楽しめるようになる。今を安心して生きたいな。(タイ暮らし83日目)

   ここで気づかせてもらったこと。ふと思ったことがありました。ここにきて3ヶ月、帰国直前にして今自分が毎日穏やかなのはきっと、不安がないからだということに。自分が自分で認められなくて、おどおどしていた私の人生ですが、それを受け入れられるようになり、こんな自分だけどこんな自分でいいじゃない、と思えるようになって、自分の中にいつでもあった不安がなくなっていることに気づいたのです。もちろん長年の癖は簡単には抜けず、時として不安な気持ちがやってきて、イライラしたり、揺れたりすることだってあります。けれども、思うのです。今の自分があるのは今までの経験があるからだと。今の自分を愛してくれる家族がいて、愛してくれる友人がいる。少ないけれど、深い愛で共に過ごす時間を楽しんでくれる人がそばにいる。だから私は私でいい、もっと愛してゆきたいと思うようになったら、不安がなくなり、穏やかさを持った自分がやってきてくれました。

 

   だから自分のペースで日々を過ごせる。やりたいことをできる範囲で欲張らずにやっていたら、時に子どもたちも協力するかのように自分の時間を楽しんでくれていたのです。そんな彼らの生き方に目を向けて感じてみたら、彼らもきっと不安がないのだろうとそう思えました。この村の子どもたちのように不安がない中で暮らすことで、楽しむことができるのだろうと最近感じています。そうして今を楽しむことを積み重ねて、優しさと穏やかさのある人になってゆくのかもしれないなと。

 

   だから思います。小さい時から不安のない中で育つこと、その土台の上に楽しみや優しさ、強さが積み重なって行くのではないかと。争いのない穏やかな世界で過ごすこと。たくさんの大人に見守られていたらきっと静かに育って行くことができるだろうと。今日訪れたこの村の人の暮らしがそうでした。子どもたちのアフタースクールの時間にここにきたことはなかったのですが今日はちょうどそんな時間で私たちの乗った車の荷台に大ちゃんの友達がたくさんの捕まってよじ登ってきます。そうしたまま車は出発、時折降りて荷台に捕まって引きずられてみたり、荷台の外側にも3人もよじ登って、俺たちも日本に行くぞ〜って叫びながらしがみ付いてきたり、男子の遊びはじつにワイルド。でも周りの大人は何も言いません。静かに、掃除をしたり、夕方の野菜売りの支度をしたり、軒先で仕事仲間とお疲れ晩酌をしていたりしながら見守っています。帰りに川の売店によると、お店の人にヌードルを作ってもらって食べていたり、学校の先生や仕事を終えた大人が川の子供達を見ていたりするのです。

 

   学校が終わった時間はとっても賑やかで色んな路地から子供達が次々に顔を出してコユや大ちゃんに声をかけたり付いてきたり。付いてきて一緒に楽しんだ後は、川に行きいきなりパンツ一丁で次々にバッシャーン!!これだけエネルギーを発散する先があれば子どもたちは心も体も経験も豊かに育つだろうなと感じます。今をマックスで楽しむ子どもの姿に心震えます。そしてそんな実に穏やかな日常風景に改めて驚きます。想像はしていたけどやっぱり自分の今まで生きてきた世界と比較してしまうのでつい驚いてしまったのです。

 

   そして幼稚園くらいの子も親なしで川で遊んでいるのですが、14歳の男の子が抱っこして何人かを見てくれています。本当にその配慮に感動してしまいます。いやいやではなく自然にそんな行為ができる彼らに。また他の子は顔見知りの私たちの事を思い、手作りのお惣菜をお土産に手渡してくれたり、この豊かさに心震えてばかりの時間でした。

 

   そんな今日1日も良く動きました。朝から旦那さんの建築現場にてスコールで基礎が流れないよう水の通り道を作りました。クワ一つで、硬い土を掘り出し、お堀状態に。かなりへびいな仕事でしたがこうして人の力で色んなことができることを学びます。ここにコンクリを埋めずとも、一生使おうと思わずに自然と相談しながら生きて行くならそれでじゅうぶん。

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   そして虫除けの火起こしをしながらおやつのカシューナッツ焼き。昨日失敗しまくって落ち込んでいた大ちゃんに食べさせてあげたくて張り切りました。わずかにしか作れないのに大好きな村長さんの奥さんに分けてあげたいんだという彼の優しさと愛も汲みたくて。火の中に入れるとあっという間にカシューまで炭になってしまうし、わずかな隅の上で焼くとカシューの水分で途中焼きで火が消えてしまうのでその塩梅が難しい。研究しまくり、まずまきを炭にしてからいくつかを放り込み、焼き具合を調節、そうして少しずつ火をずらして新しい炭を作ってはまた焼いて行く方法をとってみたら一度に15個近く成功。メガネのレンズが意外にも弱く、炭から出放熱される熱で溶けてしまったという驚きとショックはありましたが、カシューナッツ焼き屋さんになれそうです笑。焼きたての香ばしさと甘みは何にも負けない美味しさです。

 

   そして午後から海藻を取りに。断崖絶壁の岩や、流れの急な川を渡ってゆきます。深さも定まらないこの川で遊び、岩の山を登り、遠く自分のうちの畑まで仕事を手伝いに出かける子どもたちを想像するとこの体力、本当に尊敬します。だからあんな重い木を軽々と持ち上げ、こんな時はどうしたらいいかサクサク考えて動く人になるのでしょう。人をうらやんだり、争ったりするよりも、自分がしたいことを本当にわかっているのだろうなと思います。

 

畑だけでなく川からもハーベスト。自然は本当に偉大な存在だと思います。

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綺麗な海藻を探して泳いでます笑。水の流れのあるところからとるのがベスト。突然深くなったりもします。

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ここに海藻を取りに行くまでに岩場をとおり水の流れの強い川を渡ります。流されないように水の勢いを弱めるために流れに対して斜めに歩きます。こういうことを子どものうちから自分で経験して考えるって素晴らしいと思います。自然が育ててくれるって本当ですね。

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夫婦で学び合うこと。(タイ暮らし82日目)

   カシューナッツ集めをしてから自分がコレクト好きだと知り、今日もちょっとした時間で集めに行きます。木の実拾いって面白くて、それも木々の間を探していくのが気持ちいい。葉っぱの上をカサカサ素足で歩きながら、カシューフルーツの赤と黄色い実を探す。こうして拾って集めていた時代があったのでしょうね。集めた数は前回と合わせて100個ですが、隅に入れて焼くときに失敗もするでしょうし、虫食いもあるでしょうし、みんなに分けるでしょうし、1人10個食べれたらご馳走おやつだろうと思います。でも他にも食べ物は十分にあるのでこうして分け合いながらいただくのがちょうどいい量なんだろうな。自然の中はこうしてバランスを保ちながら生きられるようになっているのかもしれません。そして人間が作った身体にとって偏ったものになるだろう油や添加物がないので身体も過度に欲することがないのかなと感じています。

 

   近くにスーパーもないので買い物にもいかないし情報もないので、シンプルで楽になりました。食も暮らしも。お腹が空いたらあるものをいただくため、木の実や畑のものを収穫し、必要なものがあればまた自然から頂いて作る。お皿や家やおもちゃを。今は服は作れませんが笑、子どもたちは葉っぱでふけるんだよと葉っぱで鼻をかんで、葉っぱのお金であそび、木のボッコで電車ごっこをしています。作るには根気もいるので本当に欲しいものしか作らないのも私にはかえってよいのです。ものが増えなければ散らからないし、できないのにやりたくてイライラもしない。自分の中での欲が増えると、イライラしたりと自己矛盾を生じてしまうので、のんびりのんびりが少し身についてきたように思います。日々が楽しい。

 

   カシューナッツを集めていると子どもたちがよってきて一緒に拾い始め、みんなに会いおしゃべりして、子どもたちは嬉しそうに収穫したものを見せる。そしてそんな子どもたちを見て笑う人たち、人との関係も循環しているのです。全てそうとは言い切れないけれど、でも私がここに3ヶ月いて感じたこと。本当に自然の中で暮らしていると、自然と自分だけの時間がよく訪れるのです。それぞれが作業に没頭している時間があるので人との関係に疲れないし、自然と自分だけの時間はヒーリング効果になっている気がします。例えば、土壁を作るために粘土土を踏み、竹を割り、自然のものに触れてる時って穏やかに没頭する。そして手作業効果で、なんとなく喋って見たり没頭したり相手が気にならない。ここではみんながそんな感じです。だから私だけが言葉ができなくてもそんなに関係ないのかもしれません。なんとなくお互いにできることをフォローしあう。あ、それがコミュニティでいきることなのかもしれません!

 

   それと私の癖で、相手の癖や性格が気になる時、勝手に妄想して嫌な人だなーって思ってしまうことがよくありました。これを聞いたら悪いかなって聞かずに黙ってしまうことに関しては日本人には良くある傾向なのかもしれませんが、私はそのあとマイナスに偏りがちでした。そんな私のつぶやきに対して、旦那さんは疑問は直接聞いて解消する人です。そんな彼にここで何度も学びをもらって、聞いてみること、その一歩を踏み出すこと、をするようになりつつあります。そうしてみたら、相手のその行為が、マイナスに受け止めている自分の行為の1つだったりすることに気づいたのです。相手に悪意はなく、その人も一生懸命に生きているだけ。そう気づいたときに、相手を受け流すことができることを知りました。と同時に、自分を受け入れたり向き合ったりということも。そうして必要な時は距離を置き、そうでない時は受け入れたら良い。そうすることで一番楽になるのは自分。穏やかに過ごしたいなあと思うので1つずつ、一歩ずつ。ありがとう、旦那さん。

 

   小麦の洋菓子やパスタ、ピザを取らなくなって一年、昨日久々にパスタを食べたら、大ちゃん、ここにきてはじめて咳で目覚める朝。ゴホンゴホンと胸からくる咳の音は久しぶりで、ここのところ暑いので風邪ではないはず。。身体から抜いてみてはじめて、本当に彼の身体にあっていなかったんだと学びました。彼の健康を願う私たち夫婦にとっても大ちゃん自身にとっても。シンプルになることでそんな変化を知ることができ、大ちゃん自身で身体に目を向ける習慣がつけられるのですね、きっと。彼の身体は彼が守れるようにできるサポートをしていくこと、それが私のできることだったんですね。今までは具合が悪くなってから対処したり、彼がいいって言ってるのに寒いから着ていったらーと厚着をさせそうになったりしがちでしたが、大きな学びでした。余計なことしてごめんよー、息子ー。反省の母ちゃんであります。

 

この村には軒先にこんな風に誰でも飲ませてもらえる水が置いてある家が多いです。そしてうちの前にいすとテーブル。こうしてコミュニケーションを取っていたのでしょうね。こんな風に人と過ごす時間もゆっくりあればものがなくても大丈夫なのだろうな。 

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いつもよりもっと楽しみだけどいつもと同じ心地よい疲れのある1日でした。(タイ暮らし81日目)

      今日は記念すべき、旦那さんの建てたうちがとりあえず完成した日。私が手伝えたのは本当に僅かですが、手伝いつつ思います。こうして夫婦ですごすっていいなと。また来年来れたら自分たちの住む家になるから自分たちで作れたらいいなと。私たちが仕事をする傍らで子どもたちもカシューナッツ焼いたり、それぞれ好きなことをしたり。あまり声をかける必要もないので子どもたちはどんどん自分の好きなことを見つけてやっていく。お互いにハッピーな時間を過ごせました。2ヶ月間張り切っていたので怪我をしないことを祈りつつ、見守り続け、とうとう完成。床と屋根と柱さえあれば、まずは暮らせます。もやしっ子だった旦那さんが、、。よくやったねー。ありがとう。でも本当に怪我しないでよかった。お疲れ様。

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   そんなわけで帰国まで僅かな時間を家族で過ごしたくてかわへ。大ちゃんが竹を切ったものを船にしたから浮かぶか試したいとずっと言っていたので連れて行ってあげたかったのです。果物と灰のなかにつっこんでつくった卵と朝のたき火で作った茹で芋をお弁当に山道を歩くこと1時間。途中でにもつが重くなり、持ってきたマンゴーを1人ひとつ平らげて、ついでに卵も食べちゃいます。山道なので食べ終えた皮はガンガン投げて水筒の水で手を洗っておしまい。楽チーン。ついでの主食の茹で芋も食べながら歩きます。

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   そうして川に到着。なぜか今日は全裸で遊ぶ子どもたち。もうすっかり怖くなくなったのだろうなあ。

 

   大ちゃん、船を浮かべます。ういた、ういたよー!!!!いかだと飛行機を作りたい彼にとって自分で作ったものが浮いた喜びは奇跡だったのでしょう。こんなに重いものをここまでもってきて嬉しくて嬉しくてこの上にカメラを置いて動画までとって、またもって帰ります。この喜びが伝わってきて、ここに来れてよかったなー、大ちゃんの思いをひとつでも叶えられて嬉しいな。

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   コユはもってきたお芋をお魚にあげてます。ツンツンと食べる小魚を見て 水に落とすたびにキャハハ、キャハハと笑いながら二つもあげてました。この経験に軍パイ。足らなければ人のご飯は買い足すことにしました。こんなひとつ一つの経験が彼女の中に浸透して行くようで最近思い出しては話してくれます。なににも変えがたい経験です。

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   旦那さんが可愛い入ってくれたのでこんな可愛い一枚が取れました。大ちゃんを真似て、自分も浮いてみると水の中を泳ぎます。大きくなってきた大ちゃんに比べ恐怖は半分以下のようで楽しそうに浮いています。でも大ちゃんも自分で泳ぎの練習をしてみたいと口にし、手を貸してあげると嬉しそうにチャレンジしています。もう泳げるな、きっと。やる気になったらすごい、子どもたちは。

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   いかだに乗って遊んだ後、ここから飛び降りてみました。気持ちいーい!!

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   風がふくと冷たかったので大ちゃん以外は、川から上がり、大ちゃん1人で川に入ったり砂湯しながら遊んだり、自分の遊びに没頭しています。待つのが苦手な旦那さんも1時間以上は待ったでしょうか。大ちゃん自ら遊び切って上がる、といい着替えます。遊び切って満足した顔、旦那さんにとってもいい経験でした。上がったらお腹すいたからカオニャオ買ってきていい?と聞き、自分で買いに行きます。おお、立派だね。おかわりまで買いに行き、大満足でかわをあとにしたところで村のおばあちゃんに声をかけられます。ロットという単語だけが聞き取れ、車できたの?と聞かれたのかなと思い、「ノーロット。ウオークです。」と歩く仕草をするとおばあちゃん、わかってくれたようで笑顔でまた話しかけてくれます。去年よりわずかに聞き取れる単語が増えたけど、ほとんどタイ語ができない私たち、でもこうしてコミュニケーションが取れるんだという感覚を経験させてもらったことが大きくて、言語力よりも話したいという気持ちが大切なんだろうなあ、と感じています。

 

   かえり道は急な坂をひたすら登ります。最近食欲があり、食べているものの、畑を耕したり、坂道を登ったり、背中のお肉がすっきりしました。こうして自分のしたいことのために動きながら身体を使う気持ち良さを感じます。ちょっと疲れましたが無事帰村。大ちゃんも疲れたなんて一言も言わずにうちにつき、たくましくなったなあと思うと同時に、満足し切ったことがかれのちからになることをしみじみと感じます。今日もいろいろ感じた一日でした。

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    日々暮らすために働いて、たまにこうして家族で出かける。とはいっても自然の中はお金もかからず、自分の身体が資本。身体を使って川に行き、思いきりあそんでまた帰ってくる。本当にお腹が空いて使ったお金は280円ほど。食べ過ぎもせず、物を買いすぎもせず、身体をたくさん動かして家族で遊んで喋ってそれで大満足して帰ってきてご飯を食べて眠る。色んな不安で心を使ったり、いっときの興奮で使い切った風船のようになったりもせず、今日も楽しく疲れて眠れることが嬉しいなあと思います。こういう暮らし方なら旅行に行きたいと思わないようなそんな気がします。今日もいい1日でした。